サンプルプログラムを自宅PCで動かすには
自宅PC(Windows がインストールされていると仮定します)でサンプルプログラムを動かすためには、Cコンパイラが必要です。
世の中には、いろいろなCコンパイラや開発環境がありますので、自分にあったものを使ってください。ここでは、フリーのCコンパイラgcc(端末室で皆さんが実際に使っているものです)を自宅PCで使うまでの流れをQ&A形式で紹介します。なお、以下の記載事項は、本学科として推奨するものではありません。利用の際には十分に注意し、自己責任でお願いします。
Q1) 自宅のPCでサンプルプログラムを動かすには?
A1)
フリーのCコンパイラgcc(端末室で皆さんが使っているCコンパイラ)を自宅PCにインストールすればよいのです。
Q2) どうやって?
A2)
自宅のPCがWindowsの場合には、MinGWをインストールします。
Q3) MinGWとは?
A3)
下記を参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/MinGW
Q4) 情報リテラシでWikipediaの利用は慎重に、と、習ったけど、A3はWikipediaを参照しています。適切ですか?
A4)
一般的には、Wikipediaは誰が編集したかわからないことから、利用は慎重に、といわれています。
しかしMinGWのように、コンピュータに関してボランティアで維持され、世界中から参照されているコンテンツは、Wikipediaとの親和性が高いものです。
もちろん誤りを含んでいる場合があります。最終的には自己責任で利用してください。
Q5) まずは何をすればいいですか?
A5)
MinGWのパッケージをダウンロードしましょう。下記のURLからダウンロードすることが可能です。
http://sourceforge.net/projects/mingw/→download
Automated MinGW Installer (このQA作成時点の最新版は mingw-get-inst-20120426.exe)→Download
ここからmingw-get-inst-20120426.exe をダウンロードしてください。
Q6) まずは何をすればいいですか?
A6)
ダウンロードしたmingw-get-inst-20120426.exeを実行してください。
Q7) Repository Catalogues
A7)
Download latest repository catalogues にチェック
Q8) License Agreement
A8)
I accept the agreement (ライセンス条項に同意できるなら)
Q9) Select Destination Location
A9)
C:\MinGW
(今回は、MinGWをC:\MinGWにインストールします)
Q10) Select Start Menu Folder
A10)
MinGW
(今回は、スタートメニュー項目として、MinGWを作ります。)
Q11) Select Components
A11)
そのままでNext
(今回は、C Compilerのみをインストールします。)
→ Install ボタンでインストールが開始されます。
終わったら、Next, Finishで完了。
Q12) インストールはこれで終わりですか?
A12)
いいえ、まだです。「コマンドプロンプト」からgccを使えるように、パスの設定をしましょう。
[スタート]→[アクセサリ]→[コマンドプロンプト]を開き、次のコマンドを実行します。(">"の記号はプロンプトを表しています。)
> set path=%path%;C:\MinGW\bin
(システム環境変数PATHに、MinGWをインストールしたディレクトリを追加しています。実行ファイルはC:\MinGW\binにあります。)
Q13) コマンドプロンプトを開くたびに、パスの設定がリセットされてしまいますが。
A13)
その場合には、「システムの環境変数」に直接設定を書いてしまいましょう。
注意: システムの環境変数の設定を誤ると、それまで動作していたプログラムが動作しなくなるなどの重大な結果につながります。
よく注意し、自己責任でお願いします。
[コントロールパネル]→[システム]→[システムの詳細設定]→[システム環境変数]→Pathを選択し、
環境変数Pathの設定値の最後に、";C:\MinGW\bin"を追加
Q14) 「コマンドプロンプト」の使い方がわかりません。
A14)
UNIXのシェルと似ています。プロンプトに対して、キーボードから命令を打ち込んで[enter]を入力すると、命令が実行されます。次のような対応に注意してください。
命令内容 |
UNIXの命令 |
コマンドプロンプトの命令 |
ファイルの一覧 |
ls |
dir |
ファイルの内容表示 |
cat |
type |
パス名の表記(ディレクトリの区切り) |
/ (スラッシュ) |
\ (バックスラッシュ、または“¥”) |
ドライブの変更 |
なし |
C:(Cドライブに移動) |
カレントディレクトリの変更 |
cd |
cd |
Q15) gccを試してみたいのですが。
A15)
C:\srcにhelloworld.cを作成し、コンパイルして実行してみましょう。
Q16) helloworld.c(Cのソースファイル)を作るには?
A16)
ソースファイルはテキストエディタで作りましょう。
ここでは、テキストエディタとしてWindowsについている「メモ帳」を使います。
お好みのテキストエディタを使ってください。
Q17) メモ帳でhelloworld.cをC:\srcに作るには?
A17)
まずはメモ帳を開いてください。
[スタート]→[アクセサリ]→[メモ帳]
ここで、プログラムを書きます。たとえば、以下のようなプログラムをメモ帳で編集します。
#include<stdio.h>
int main(void)
{
printf("Hello, world!\n");
return 0;
}
|
このプログラムをhelloworld.cという名前のファイルに保存します。保存するときにちょっと注意が必要です。
メモ帳の[ファイル(F)]→[名前を付けて保存(A)]から保存先を指定します。
その際に、[フォルダの参照]で、保存先フォルダ(ディレクトリ)を
C:\srcと指定します。
また、[ファイル名(N)]として、helloworld.cと指定します。
(.cを付けるのを忘れないように。)
さらに、[ファイルの種類(T)]として、「すべてのファイル」を指定します。
[ファイルの種類(T)]の指定を忘れると、「テキストドキュメント(*.txt)」が指定されたことにな
り、 helloworld.c.txt というファイルが保存されてしまいます。
ファイルの種類の指定は忘れないでください。
Q18) helloworld.cが正しく書けたかどうか確認したいのですが。
A18)
C:\src\helloworld.cが正しく書けたかどうか確認してみます。
次の手順で確認しましょう。
まずは、コマンドプロンプトを開きます。
以下、コマンドプロンプトで実行する命令です。">"の記号はプロンプトを表しています。
最初に、ドライブを変更します。
> c: [enter]
次に、カレントディレクトリを変更します。
> cd \src [enter]
これで、C:\srcに移動したはずです。
さきほど作成したファイルがあるかどうか、ファイルの一覧を表示してみましょう。
> dir [enter]
helloworld.cがあるはずです。
もしなかった場合には、メモ帳の使い方から確認してください。
helloworld.cの内容を見てみましょう。
> type helloworld.c [enter]
#include<stdio.h>
int main(void)
{
printf("Hello, world!\n");
return 0;
}
>
どうやら正しく書けたようです。
ここで誤りがあるようなら、メモ帳で再編集のうえ、再度確認してください。
Q19) メモ帳は不便です。テキストエディタとしてemacsは使えますか?
A19)
使えます。自分で調べてみてください。
Q20) helloworld.cをコンパイルしたいのですが。
A20)
端末室と同様に、次のコマンドでコンパイルできます。
> gcc -o helloworld helloworld.c [enter]
-o オプションで、コンパイル結果のファイル名としてhelloworldを指定しています。
Q21) 実行したいのですが。
A21)
端末室と同様に、実行してみましょう。
> helloworld [enter]
Hello, world!
>
うまく実行できました。
あとは、同じ手順で、ソースファイルの編集、コンパイル、デバッグをしてください。
以上